平成30年  予算特別委員会 03月06日−01号 ◆戸枝大幸委員   おはようございます。  平成三十年度当初予算案について、区長に伺います。  次年度であります平成三十年は、平成最後の年となる見込みであり、明治元年から百五十年を数える節目の年であります。  昨年から、年を明けてこれまでの国内景気を敷衍してみますと、まず、一月の月例経済報告では、基調判断が七カ月ぶりに引き上げられた点が注目をされます。このところ、個人消費の動向や雇用情勢の改善を受けて、企業活動の回復傾向が家計へと、よい波及効果が進んでいることが鮮明になってきているものと見受けられております。  そして、海外に目を向けますと、法人税減税の実施などにより、景気が拡大傾向にある米国経済、そして、投資拡大により、やはり拡大傾向にある中国経済であり、この両国等への投資を中心とした輸出の増加による日本経済への波及効果も今後一層期待がされるところであります。  しかし、戦後二番目となるこの好況が今後どの程度持続するものか、その原因の分析が欠かせません。  政府による経済政策、いわゆるアベノミクスが一定の成果を上げているという評価もあります。他方で、世界的な金融緩和と需要の先食いであるという見解もあることから、現在の景況を改めて深く探るとともに、あわせて、原油価格の上昇や地政学的なリスクなどの懸念材料の存在を十分に見きわめつつ、また、デフレ状態ではないがデフレを脱却していないという政府の見解の存在なども認識しながら、今後も、慎重に周辺環境の動向については注意深く見守る必要があると考えております。  この状況下で、北区の一般会計当初予算総額は一千五百五十六億九千八百万円となっており、これは言うまでもなく過去最高の予算額であります。  これまでの一般会計の予算額を当初予算ベースで振り返ってみますと、平成二十七年度に一千四百六十八億円、このときに、前年度対比で百三十一億円増の九・八%増となっており、初めて一千四百億円台に乗せております。この後は、高どまり傾向が続き、この三十年度には一千五百億円を計上するところとなっております。  平成バブルの時代にさかのぼりますと、平成二年度予算で、初めて一千億円台に乗せておりますが、その後、約三十年を経て、実に一・五倍もの予算規模に拡大したことになります。  対比として、国の予算を眺めてみますと、平成三十年度予算では、六年連続で過去最高を更新し、一般会計約九十七兆円という予算になっておりますが、これは社会保障費と国債費が年々増加していることに大きく起因していると言えます。  この状況において、国では、少子高齢化を国難と捉え、現在、働き方改革などにより、今後、この課題に積極的に対策を進めるとともに、一層の経済成長に向けて、生産性の向上を推進していくことを今後の方向性として明らかにしております。  再び、北区に目を転じますと、ここ数年の人口増加により、税収も増加傾向が続いており、さらには、企業業績の好調を反映して、平成三十年度には、財政調整交付金も過去最高の予算額を計上しております。  今後の区政運営に当たっても、当面は生産年齢人口を呼び込み、そして、定住化を促進する施策を推進することが一つのポイントであると考えられておりますが、既に日本全国で人口が減少傾向に転じている状況を鑑みますと、国、地方を問わず、そして、官民を挙げた人口減少と少子高齢化に対する取り組みをこれまで以上に進めていくことが必要となります。  そこで、区長に伺います。先ほど指摘いたしましたように、北区の予算総額がここ数年拡大傾向にあり、平成三十年度は、一般会計予算を一千五百億円台の大台に乗せたところであります。  花川区長は、今回の新年度予算編成に当たって、現在の北区が直面する課題をどのように捉え、そして、その課題を解決するためにどのように取り組み、創意工夫を行い、そして、どのような将来像を描いて予算案を作成したのか、予算規模が増大した主な具体的な要因も含めて、新年度予算編成に当たっての特徴について伺います。 ◎花川区長   戸枝委員からの新年度予算編成に当たっての特徴に関するご質問にお答えをさせていただきます。  北区では、これまで子育て支援の取り組みなどにより、人口は着実に増加し、特別区民税は五年連続で増収となっていますが、将来的な人口減少や超高齢化社会を見据えると、今後とも、税収の大きな伸びは期待できず、国による税源偏在是正措置の拡大などによる歳入の減少も懸念されます。  一方、少子高齢化への対応を初め、防災・減災対策、施設の更新需要への対応、新庁舎建設や十条・王子のまちづくり、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会を見据えた取り組みなど、山積する行政課題に対しては、予算をしっかり確保して、課題解決に向けた着実な取り組みを推進していかなければならないと考えています。  そこで、新年度予算においては、三つの優先課題のうち、特に、長生きと子育ての施策に全会計予算の五割近くを配分し、乳幼児期から学齢期、若者、高齢者、障害者、誰もが元気で安心して住み続けられる全世代型のまち北区を実現するための事業の構築を図っています。  また、まちの防災性向上と地域防災力の向上、風水害や土砂災害への備えと安全・安心な生活環境確保など、区民一人ひとりの命を守る取り組みにも前年度と同程度の予算規模を確保しています。  さらに、二年後に迫った東京二〇二〇大会への取り組みでは、前年度の二倍以上となる二億七千万円程度の予算規模を確保し、公園や駅前公衆トイレの改修、ボランティア育成、コミュニケーションボード整備など、北区を訪れる外国人等に対するおもてなしの充実を図っています。  あわせて、将来世代の負担や基礎的財政収支への影響なども考慮し、基金と起債をバランスよく活用した財源確保策を講じるとともに、今後の新庁舎建設、学校改築事業の着実な推進と特別区債の計画的償還に資する基金への積み立てによる残高の確保も行っています。  このように、区が直面している多くの行政課題を解決するため、施策や事業を積極的に構築するとともに、景気変動の影響を受けやすい財政構造を踏まえた将来への備えとしての財源確保にも取り組み、未来への着実な歩みを進める予算としています。  平成三十年度は、新元号の発表など、新たな時代の幕あけを予感させる未来につながる一年となります。区民の誰もが、ゆとりと豊かさと夢を感じ、人生百年時代にふさわしく、それぞれのステージで自分らしく輝き、未来に向けて成長できる魅力あふれる「ふるさと北区」の実現に向け、今後とも全力で取り組んでまいる所存です。  以上、お答えとさせていただきます。 ◆戸枝大幸委員   ただいま、新年度予算の全般にわたって、ご答弁をいただいたわけでございます。  新年度予算が過去最高となったことは、花川区長が区民、そして、我々区議会の要望を的確に受けとめて、高齢者施策や子育て施策などを初めとした各事業を積極的に、タイムリーに推進していただいた成果であると評価をするところであります。  ここで、改めてお聞きしたいのですが、平成二十七年度に初めて一千四百億円台に予算を乗せた後、予算額が増加を続けてきていることは、先ほども指摘をしたとおりであります。それは、これまでの赤羽台のもり公園や滝野川三丁目のシルバーピア、都市計画公園用地などの大規模な用地の取得、あるいは赤羽体育館の建設、学校改築の推進などが主なその増加要因だったという答弁もいただいておりましたが、改めて、平成二十七年度以降、これまでの各年度の当初予算の増加要因の主たるものは、どのようなものであるかをお聞かせいただきたいというふうに思っております。 ◎小野村政策経営部参事   ただいまご指摘いただいたように、平成二十七年度に前年度比九・八%増で一千四百億円台に予算規模が拡大してございます。さらに、二十八年度には一・四%増となった状況でございますが、この要因といたしましては、今、ご紹介もいただきましたような赤羽台のもり公園用地、また、滝野川三丁目、浮間四丁目の国有地の用地取得によるところが大きかったものと考えてございます。  また、三十年度の予算につきましては、前年度比で八十八億円余の増となってございます。これは、中学校二校の改築が最終年度を迎えることによりまして、学校改築経費四十億円余の増となっているところが大きいものでございます。  また、二十七年度以降、継続的に増加傾向にある事業費といたしましては、ただいま申し上げた学校改築改修関連経費等の投資的経費のほかにも、保育所運営費や障害児関連給付費などの扶助費、この伸びも大きくなってございまして、三十年度予算における扶助費は、二十六年度に比べて約七十億円の増加となっている状況でございます。このような状況が主たる要因と考えているところでございます。  以上でございます。 ◆戸枝大幸委員   今、主たる要因をご紹介いただきました。それぞれ、北区独自のものもございますが、東京全体あるいは二十三区全体に共通して言えることも多くあるのではないかなというふうに思っているところでございます。  そこで、改めてとなりますが、この予算の拡大傾向につきまして、国や東京都の予算、そして、特別区各区の予算と比較して、北区特有のものであるというふうに認識をされているのかどうか、そのあたりをご説明いただきたいと思います。 ◎小野村政策経営部参事   予算の拡大傾向は、平成二十七年度以降全て確認できているわけではございませんけれども、二十九年度と三十年度の比較という意味で状況を申し上げさせていただけば、二十九年度につきましては、十五区で前年度を上回っているという状況でございました。北区を含めた八区と東京都、これは前年度を下回ったところでございます。  一方で、三十年度につきましては、前年度を下回った区は三区のみという状況で、東京都、またその他の二十区は前年度を上回っていると。なおかつ、そのうち十八区が過去最大の予算規模になっているという状況でございます。  また、国のほうは、六年連続で過去最高の予算額を更新、東京都は二年ぶりに七兆円台を回復しておりまして、それは平成三年、四年、バブル期水準の予算規模になっていると、そのように理解しているところでございます。 ◆戸枝大幸委員   十八区が過去最高と、そして、東京都に至っては七兆円を超えていると、そういった状況があることがよくわかりまして、北区も含めて、各区それぞれ課題はあるにいたしましても、特別区、特に北区を含めた地域につきましては、おおむね同様の傾向にあることを改めて認識をいたしました。  これを踏まえまして、現在までのこの傾向は今後も当分続くものと考えているのか伺いたいというふうに思います。  もし、そうであるとするならば、その要因と財源対策をどのように考えているのか、その見通しについてお考えをお聞かせください。 ◎小野村政策経営部参事   同様の傾向かということでございます。少子化や超高齢化、これはまさにこれからの最大の課題であると認識してございまして、これによる扶助費の増大、これは避けて通れないものだというふうに考えてございます。  また、学校改築を初めといたしました公共施設につきましては、建設から一定年数経過し、施設や設備の老朽化に伴います更新が必要になってくるものも多く、投資的経費も今後増大していくことが予想されるものでございます。  これに対する財源につきましては、保育所関連、また障害者関連などの扶助費については、国、都の負担金・補助金などで一定程度財源を賄うことができるというふうに考えてございますが、一方で、公共施設の整備、特に学校改築につきましては、期待できる財源が少ないため、基金、また起債をバランスよく効果的に活用して対応していくことになるものと考えてございます。 ◆戸枝大幸委員   今後の歳出の増加傾向、あるいは歳入の減少傾向を、今、お示しいただいたわけでございまして、非常に深刻な事態として我々は捉えるべきだというふうに思っております。  先ほどの区長答弁を受けまして、現在の北区が抱え、対応していかなければならない懸案課題が示されたわけでありますが、少子高齢化、将来的な人口減少、公共施設の老朽化、あるいは学校改築などが主な課題であることが示されておりますが、それぞれの対応が、今後の北区の区政の将来を決めると言っても過言ではないというふうに思っております。  そこで、それぞれの課題について、これから伺っていきたいというふうに思っております。  このうち、特に重要となるのが人口問題であるというふうに思っております。北区の人口は、住民基本台帳ベースでも、平成二十九年まで五年連続で増加傾向にあり、国勢調査人口でも、確実に増加していることがわかります。  本年の一月二十九日に総務省が発表いたしました二〇一七年の住民基本台帳人口移動報告では、二十三区への日本人の転入超過数は前年対比で五%増、六万千百五十八人で、再開発などが進む都心や臨海部への人口流入が一層進んでいるということがわかっております。  また、国立社会保障・人口問題研究所、いわゆる社人研の報告では、都内でも、福生市や青梅市などの地域は減少が続き、二十三区内でも足立区、葛飾区、杉並区などが減少傾向にある一方で、中央区、江東区などは増加傾向にあり、都内でも、地区により不均衡が生じつつあるという状況であります。  さらに、二〇一七年時の社人研推計では、今年の日本の総人口一億二千六百五十三万人が、二〇六五年には八千八百八万人、そして百年後には五千六十万人と驚くべき推計がなされております。  その一方で、北区の独自推計による将来の人口は、社人研の推計に比べて、安定的な推移を見込んでいるように見受けられます。その推計の根拠について伺っていきたいというふうに思っております。 ◎筒井企画課長   平成二十七年度末に作成いたしました北区人口ビジョンの中で、北区の独自推計といったものを行ってございます。こちらの根拠でございますが、二〇一〇年の国勢調査データをベースに国立社会保障・人口問題研究所の推計ですとか、国の長期ビジョンを参考に北区独自で推計を行ったというものでございます。  北区で取り組んでいます子育て施策を初め、各種施策の充実を図ることによりまして、合計特殊出生率の向上ですとか社会増減を、できるだけプラスを維持する、マイナスにならないようにする、そういったことを目標として設定した推計でございます。  国全体として、人口減少、少子高齢化の進展が避けられない中で、できる限り、その減少幅を小さくしていく、そういったことを目標にした推計というふうになってございます。  そのため、社人研の推計と比べ、減少幅が少ない、安定的な推移というふうになっているものでございます。 ◆戸枝大幸委員   お話はわかりました。ただ、この数字をどういうふうにこれから扱っていくのかということについては、私たちも十分に注意をしていかなければならないというふうに思っております。  どちらかと言いますと、社人研の数字のほうがより現実に近い数字なのかなという感覚を持っておりますので、その辺はぜひこれからも加味しながら、各種計画に当たっては反映させていただきたいというふうに思っております。  また、本年度の予算では、住民異動の動向を調査することとなっておりますが、現時点では、この人口増加の要因をどのように分析をされているのか。また、来年度に公表予定の人口推計調査における最新の分析もあわせてお示しをいただきたいというふうに思っております。 ◎筒井企画課長   今年度、住民異動等の動向、要因等について調査をする取り組みを行っているところでございます。二十歳から四十九歳をターゲットに転出入者のアンケートも実施し、現在、その結果の集計・分析を行っているところでございます。  その中で、転入の決め手となった利点ということで挙がっているものといたしまして、通勤・通学への交通の便がよい、家賃・住宅価格が適当、都心へのアクセスのよさなどが上位に挙がっているような状況でございます。  こちらにつきましては、もう少し質問項目にクロス集計をかけまして、分析を深めたいというように思っているところでございます。  また、今年度のアンケート調査ではないんですけれども、さまざまな民間の調査機関等が調査をしておりまして、例えば、昨年末、本当に住みやすい街ランキングというものがございまして、赤羽が三位に、浮間舟渡が十位にランクインしております。  その調査のポイント、審査基準というのがあるんですが、そこを見てみますと、例えば、赤羽の場合、五つの審査基準の中で、交通の利便性というのも当然のことながらポイントが高くはなっているんですが、発展性ですとか、教育、文化環境というのもポイントとして比較的高く出ているということもございました。  また、子育てしやすい自治体ランキングというのもありまして、これは全国の市及び二十三区の中でのランキングなんですけれども、北区が第六位に入っているということもございます。  さらに、働く女性に優しい街ランキング二〇一八というのもあるんですが、こちらに関しましても、上位に入ってきているというような状況がございます。  さらに、データを少し見てみますと、合計特殊出生率なんですが、十年前の平成十八年では〇・九九といったような数字でございました。それが、平成二十六年で一・二〇、二十七年で一・二二、二十八年では一・二六というように、少子化の流れがあるというようには言われておりますが、合計特殊出生率が北区においても上昇しているというような状況もございます。  こうしたアンケートですとか、さまざまな調査機関のデータから見ましても、社会増減、自然増減、どちらの面でも、交通の利便性のよさ、そういったことを背景に、北区で取り組んでいる子育て施策ですとか、「教育先進都市・北区」の充実に向けた取り組みといったものの効果が一定程度出ているのではないかというように捉えているところでございます。  また、今、委員からご紹介いただきました人口推計調査でございますが、基本計画の改定のために現在取り組んでいるところでございます。  その結果につきましては、来年度ご報告をさせていただきたいと思っておりますけれども、今は分析の途中でありますが、北区の人口増加のピークでございますけれども、五年刻みの推計値で見ますと、平成四十年ごろ、北区の人口のピークが来るのではないかというように推計をしているところでございます。  その後は、日本全体がそうであるように、北区におきましても人口減少、少子高齢化は確実に見込まれていくというような推計でございます。  以上です。 ◆戸枝大幸委員   今、ご丁寧にご紹介をいただきました。そこで、一点だけ改めて聞いておきたいんですけれども、住民異動の動向調査の中で、交通アクセス、利便性がいいということが当然上位であったという、そういった結果をご報告いただきました。  そこで、その調査においては、子育てに関しては、どのように評価をされていたのでしょうか。 ◎筒井企画課長   まだ分析の途中というところでご紹介させていただきたいと思いますけれども、こちらはターゲットを二十歳から四十九歳に絞った調査ではございますが、単身者の割合も一定程度おりました。  当然、夫婦の方、二世代の方、三世代の方というのも一定の割合はいるというような状況でございました。その中で、全体を見てしまいますと、先ほどご紹介したような内容が上位には挙がってくるんですが、もう少し年齢別、例えば、子育て世代であろうといったところを深追いしていく必要があると思っておりまして、その年代について見ていくと、子育てというところも一定程度上がってくるのではないかというように今思っているところでございますが、申しわけございません、もう少しクロス集計・分析などを深めてご報告をさせていただけたらと思っております。  以上です。 ◆戸枝大幸委員   子育てに関する評価そのものが、なかなか上位に浮かび上がってこなかったんじゃないかというふうに思っておりまして、そこら辺はクロス集計・分析とかをしてみないとわからないところではありますので、分析をしたいというふうに思っておりますが、一つのデータだけを聞く限りでは、なかなか興味深い分析ができるのではないかなというふうに思っております。  先ほどのお話を繰り返しますと、民間の調査会社においては子育てのランキングだけに注目するのであれば、北区は上位に入る。しかしながら、異動動向調査における結果を聞く限りでは、子育て支援は人口動態そのものの主要因になり得ていないのではないかと、そんなような分析も成り立つわけであります。  これをもって、単純に子育て施策が不足しているからより一層の充実が必要であると判断する材料となるのか、あるいは生産年齢世代が地方を捨てて東京に一極集中した結果として、人口流入が起こっているだけと捉えるべきなのか、さまざまな捉え方があるのではないかなというふうに思っております。  いずれにしても、社人研並びに東京都の推計によれば、二〇二五年には、人口の減少局面へと突入することとなります。先ほどのご紹介にありましたように、区独自の推計では、これより少し後になるとのことでありますが、いずれにしましても、下降局面に入っていくことはほぼ間違いがありません。  先ほどの調査の結果を踏まえると、子育て施策の充実は、それ自体として意義のあることであると考えますが、人口減少への対策として考えた場合の有効性は果たしてどうなのであろうかという疑問は残ります。  ここから得られる一つの考え方として、生産年齢人口をふやすために子育て施策をするという考え方ではなく、人口が減少していくことを前提とした子育て施策のあり方についても考えていく必要があるのではないかなというふうに思っております。  そこで子育て関連施策あるいはファミリー層向けの施策の意義についてどのように考えられているのか、改めて伺っておきたいというふうに思っております。 ◎筒井企画課長   北区といたしまして、北区基本計画2015の最重要課題として、子育てファミリー層・若年層の定住化というのを掲げております。以前からずっと、子育てファミリー層の誘致ということで、大きな目標として掲げ、さまざまな取り組みを行ってまいりました。  それの意義というところでございますけれども、やはり、人口減少というのはどうしても避けられないというように思ってございますが、その中でも重要となってくるのが、人口構成のアンバランスの是正ということだと思っております。  そして、生産年齢世代、特に働き盛りと言えると思うんですが、二十歳から四十九歳の子育てファミリー層・若年層、こちらの方に住んでいただくことによりまして、まず財政的な面から言えば、特別区税等の収入の増にもつながっていくということもございますので、そういった点がまず一つあるかなと思っております。  あわせて、子育てファミリー層・若年層の定住化を促すことで、まちの活性化、コミュニティの活性化という点でも重要かなというように思っております。  北区の中で、暮らしていただく、生活するというような視点で見ますと、どちらかと言えば、家庭ですとか、ファミリー層のほうが、より強く地域とつながりながら、北区で暮らしていただくという面があるかなというように思っております。  そういったこともございまして、地域のきずなづくりというのも最重要課題に掲げているところでございますけれども、地域の活性化、コミュニティの活性化につながっていくという意味でも、子育てファミリー層・若年層の定住化を目指していきたいというような面もあるかと捉えています。 ◆戸枝大幸委員   今、ご答弁いただきまして、そのとおりだなというふうに思ったところでございます。今述べられたポイントを私なりに解釈いたしますと、生産年齢人口をふやすため、あるいは担税力の確保、そして地域の活力、さらにはそこから敷衍して、地域のきずなづくりの核となるファミリー、家族、家庭について、しっかりと北区が誘致をして、支援していくという、そういった姿勢を示すことの意義というのが十分にあるのではないかなというふうに思っているところでございます。  もちろん、子育て施策に関しましては、当然、保育需要を満たすという、そういった喫緊の理由もありますが、いずれにいたしましても、人口減少局面を迎えるまでの時間というのは残りわずかしかありません。  先ほど、お示しのとおり、調査結果により、一層の精緻な分析をさらに期待をし、次年度より作業が始まる基本計画の改定に向けて、考え方を整理しながら取り入れていっていただきたいというふうに思っております。  次に、一昨年三月には、北区版のまち・ひと・しごと創生総合戦略を策定し、重点的、効果的な施策をまとめて現在、それに基づき取り組みを推進しているものと認識しております。  また、本年の所信表明で、花川区長は五十年先、百年先の北区を思い、今を生きる人々、未来を生きる人々、両者を見据えながら、未来に向けて成長できる北区の実現を目指して、全力で取り組んでまいると語られております。  これは、区長がこれまで持続可能な行財政運営に努めるという意思を表明したことと相まってのことと理解しておりますが、その趣旨を今後も当然維持されていくものと認識しております。  改めて、先ほどお示しいただいたような、今後の人口動態が北区の行財政運営、歳入や歳出などにどのような影響を与えると分析をされているのか、具体的な税収を初めとした歳入と扶助費を初めとした歳出への影響、あるいは投資的経費の増減傾向などをどのように分析をされているのかお示しください。 ◎小野村政策経営部参事   先ほど、企画課長からご答弁申し上げたような人口推計調査、また、今後の人口動態等に基づく財政面での分析等につきましては、まだ現時点ではなかなか進んでいないという状況でございますが、先ほどの答弁の繰り返しになって申しわけございませんが、やはり少子化、またこれからの超高齢化、これは北区だけのことではございません。全国的な課題でありまして、これによる歳出面での扶助費の増加、これは避けて通れないというものでございます。  また、投資的経費につきましては、学校の改築事業、これは今後も続くものと見込んでございます。老朽化した公共施設の更新需要にも対応していかなければならない。人口減少の局面に入ったといいましても、直ちに公共施設が不要になるというようなことは考えにくいと思ってございます。  投資的経費も一定の水準ではかかってくるというふうに考えているところでございます。また、歳入面でございます。生産年齢人口が減少すれば、特別区民税などの税収減への影響なども出てくるというような考えを持っているところでございまして、今後、しっかり分析等にも着手していくというふうに考えてございます。 ◆戸枝大幸委員   これも繰り返しになりますが、人口減少というのは、区の財政構造に直ちに影響してくる問題であるというふうに認識しております。  そして、これも繰り返しになりますが、我が区における人口減少のトレンドというのは、それほど遠い将来のことではありません。人口減少に伴う歳入歳出構造の変化も避けて通ることはできません。  したがいまして、現在の財政構造を維持していくことは、将来的に困難であると言わざるを得ないというふうに思っております。  行政の継続性原則も尊重するところでありますが、それ以上に優先すべきは、持続可能な自治体をどのように形づくっていくかということであるというふうに考えております。  人口減少局面が明確になる前に対応を行っていくべきであることを改めて指摘をさせていただきたいというふうに思っております。  今後、人口減少社会が進むに当たりまして、その処方箋の一つが、国の方針が示すように、生産性の向上であると考えます。  そこで、この生産性の向上についての課題は国が責任を持って実施すべきことであると期待をするところでありますが、この部分以外について、基礎自治体としての北区として、持続可能な行財政運営を推進していくためには、地方公共団体は、むしろ身の丈に合った、つまり、今後確実に見込まれる歳入に合わせた事業規模への是正を推進していくことを改めて検討すべきであると考えますが、その見解を伺います。 ◎小野村政策経営部参事   北区ではこれまでも昭和の時代から、他区に先駆けて、職員定数の削減に取り組み、また、平成七年以降、北区役所活性化計画、それから緊急財政対策、経営改革プランなど、事務事業の見直しや外部化の推進などに積極的に取り組むとともに、景気変動にも柔軟に対応できる財政調整基金への積み立て、また、計画事業等を着実に推進するための特定目的基金の残高確保にもしっかりと取り組み、持続可能で安定した行財政運営に資するよう取り組みを進めてきたところでございます。  ただ、予算規模が拡大している中では、さらなる取り組みの推進が必要になることは非常に認識しているところでございます。依存財源比率が六割となっている北区の歳入構造におきましては、確実に見込まれる財源に合った事業規模、予算規模というものを想定することはなかなか正直難しいというふうに考えてございます。  今後とも、既存事業の整理統合、また、事務の外部化の推進など、経営改革の取り組みを推進して事業規模が拡大し過ぎることのないよう努めてまいりたいと考えてございます。 ◆戸枝大幸委員   経営改革についての決意が今、述べられたというふうに思っておりますが、従来までの北区の経営改革を眺めておりますと、絞れるところはもうあらかた絞り尽くした感はあるんではないかなというふうに思っているところでありまして、今の答弁も、私からしてみると、少し苦しいかなというふうに思っているところもございます。  ただ、人口減少局面を本格的に迎えるに当たって、私たちはいま一歩踏み出していかなければいけないタイミングが来るのではないかなというふうに思っておりますので、経営改革におきましても、そのような取り組みをされる日が来るのではないかということを改めて指摘をさせていただきたいというふうに思っているところでございます。  次に、会計管理について伺っていきます。  新たな公会計制度の整備に関する予算が計上されております。北区は早くからバランスシートの作成に取り組んでこられ、平成十九年度から総務省方式改訂モデルにより、財務諸表の作成、二十年度から連結財務諸表を作成、公表し、現在は毎年の年次財務報告書を作成しており、これまでの、これらの取り組みについては高く評価をするところであります。  また、平成二十九年度からは、固定資産台帳の整備や複式簿記の導入を踏まえた国の新たな統一基準による財務書類等の作成に取り組むため、日々仕訳を導入していると承知をしているところであります。  二十九年度の決算の公表に向けて、全区的にこの作業が進められているものと認識をしておりますが、まず、この日々仕訳の手法の導入に至った経緯について、改めて伺いたいと思います。  あわせて、担当職員の事務量について、今回の事業導入による負担の増加や影響をどのように把握されているのか、円滑に事業を行える体制が整っているのかなどについてお聞かせください。 ◎小野村政策経営部参事   新たな公会計制度でございます。仕訳の方法につきましては、日々仕訳方式と期末一括方式というものがございますが、国のQ&Aでは、仕訳の検証精度が高くなり、内部統制に寄与する、より早期に財務書類の作成、開示が可能となることなどから、日々仕訳方式が望ましいとされてございまして、日々の仕訳を行うことで、期末作業の負担が軽減できる、また、迅速に多様な財務諸表の作成が可能になるといったメリットがございます。  このようなことから、北区では日々仕訳方式を導入することといたしました。この日々仕訳でございますが、毎日の財務会計システムの入力におきまして、一つ、画面を展開いたしまして、仕訳を入力するというものでございます。昨年度、財務会計システムを改修いたしまして、支出、また調定時におけます仕訳の画面、こちらを追加させていただきました。仕訳処理を簡素化いたしまして、仕訳変換表というものを会計課のほうでも作成してございます。  これによりまして、職員によります仕訳処理では、ほとんど事務量の増加がなく、大きな負担増もなく行えることになったというふうに認識してございます。  また、固定資産台帳整備、それから財務会計システムの改修などにおきましても、所管課、契約管財課、会計課、そして財政課の職員が連携、協力する体制を整えてまいりまして、おおむねスケジュールどおりに進んでいるものでございます。 ◆戸枝大幸委員   今、日々仕訳が順調に行われているというご報告をいただきました。公会計制度の整備は、財政の透明性を高めることによる説明責任の履行、財政の効率化、適正化を図ることと承知をしているところでありますが、この日々仕訳の導入などの新たな取り組みによる行財政運営に対する効果について説明をお願いします。 ◎小野村政策経営部参事   日々仕訳を導入して、仕訳を行った情報を蓄積することによりまして、一般会計、また特別会計の決算額がそのまま財務書類の基礎数値となるものでございます。資産や負債といったストック情報を正確に把握することが可能になります。  また、現金主義会計によります予算・決算では見えにくいコスト、ストックの把握によりまして、中長期的な財政運営への活用が期待できるものでございます。  なお、新公会計制度導入後に期待される効果といたしましては、一般的に言われていることでございますが、資産老朽化比率による老朽化の概括的な把握が可能となる。また、公共施設等総合管理計画の充実と精緻化が図れる。それから、設備更新や統廃合にかかりますトータルコストを踏まえた判断が可能になる。施設利用料等について、受益者負担の適正化が図られるなど、いわゆる経営改革的な視点での効果が多いものと捉えてございます。 ◆戸枝大幸委員   公会計を整備することの意義というのが非常に重要であることがわかります。そこで、今後、さらにその精度を高める意向があるものというふうに思っておりますが、この公会計制度の導入、進展と北区公共施設等総合管理計画との関係について伺っていきたいというふうに思っております。  平成二十三年に作成されました北区公共施設白書では、公共施設の建て替え、改修に係るコスト試算を行い、その後、平成二十五年七月の公共施設再配置方針では、今後二十年間で、施設総量の一五%程度の削減を目標としますというふうに報告はされております。  また、二十九年二月に総務省の意向に基づいて作成されました北区公共施設等総合管理計画では、施設白書、再配置方針並びに区有施設保全計画のデータの時点修正を行うとともに、体系的に取りまとめ、その考え方を踏襲しているものと認識をしております。  この総合管理計画を眺めてみますと、限られた財源を有効に活用し、必要な行政サービスを提供し続けるために、公共施設等の総量の抑制や事業コスト、維持管理費の削減などに取り組む必要があるとの指摘があります。  そこでお聞きいたします。先ほど指摘しているように、ここ数年の北区の財政規模の拡大傾向を勘案すると、この北区公共施設白書や再配置方針がつくられたときの状況と周辺状況が異なっているため、それに対応するために改めて平成二十九年にその総合管理計画が策定されたものと認識をしております。  しかし、この管理計画の内容は、公共施設の一五%の削減が必要だという考え方を踏襲しながらも、よく言えば、柔軟な考え方にシフトし、悪く言えば、目標を不定期に先送りし、焦点をぼやかしているような感も拭えません。  一方で、先ほど答弁にあったように、公会計制度の進展、固定資産台帳の整備などにより、施設運営に係るコスト分析の能力は一層向上しているものと判断しております。  住民に必要な施設は今後も整備しなければならないということは十分理解するとともに、その財源を確保するという観点からも、また、先ほど来、指摘するように、長期的なトレンドでは人口が減少していくことが避けられない状況のもとでは、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドという行財政運営において不可欠で基本的な考え方は維持しなければならないというふうに考えております。  北区は、公共施設の現状と今後のあり方について、改めて現時点ではどのような見解を持っておられるのか。すなわち、施設白書の考え方を、この総合管理計画は踏襲しているということでありますが、基本的な状況は、両計画の間では変わらないというふうに判断しているのか、それとも、先ほど紹介のありましたように、公会計制度の進展等の機会を捉えて、これまでの考え方を今後見直す必要があるものと考えているのか、お聞きかせいただきたいというふうに思っております。 ◎土屋経営改革・公共施設再配置推進担当課長   公共施設再配置方針を策定しました平成二十五年七月当時から比べますと、人口や税収の増加といった状況の変化はあるものの、今後、老朽化した施設の更新に多額の費用がかかること、また、その対応が困難であること、また、人口減少、少子高齢化によって生じる施設需要の変化にも対応していく必要があることなど、公共施設を取り巻く環境や課題に大きな変化はないと認識しております。  再配置方針を踏まえまして、二十九年二月に策定しました公共施設等総合管理計画では、公共施設マネジメントにおける基本的な考え方や方針を策定しておりまして、こうした考え方や方針に基づき、施設の抑制に向けた具体的な施設の再配置を検討してまいりたいと考えております。 ◆戸枝大幸委員   今、ご答弁をいただきましたが、これから人口減少も含めて、歳入状況、歳出状況がさまざまに変化することが、先ほどの政策経営部参事等の答弁の中で明らかになってきております。こういった環境の変化があるというふうに理解をしていただいた上で、今後、この公共施設の管理計画についても、必要に応じて見直しをかけ、そして、基本計画、中期計画とも連携をしながら、各種事業の中に取り込んでいただければいいのではないかなというふうに思っております。これは指摘をさせていただきたいというふうに思っております。  また、新たな行財政手法の研究についても、引き続き、取り組んでいただきたいというふうに思っております。  次に移ります。  北区では、平成三十年度からスタートされます高齢者保健福祉計画、第七期介護保険事業計画の策定が進められてきております。この新たな計画は、高齢になっても、住みなれた北区で安心して暮らせるための北区版地域包括ケアシステムの構築を着実に推進していくことを目標としており、その表題も、北区地域包括ケア推進計画とされております。  地域包括ケアシステムについては、団塊の世代の大半が七十五歳を超える二〇二五年問題を念頭に、現在、国を挙げて、その構築が進められておりますが、特に、少子高齢化の進展の著しい北区においては、一層適切な取り組みが進められることを期待しているところであります。  北区では、これまで町会・自治会を初め、民生児童委員、シニアクラブ、ボランティアなどさまざまな地域の担い手が見守りや支え合い活動に取り組んできておられます。高齢化率もさることながら、高齢者の単身世帯の割合も高くなっており、北区においては、今後も一層、この見守り活動の取り組みを強化していくことが必要であると考えます。  そこでお聞きいたします。新たな計画では、地域のきずなづくり推進プロジェクトとして、地域円卓会議が計画をされております。この円卓会議は既に二十八年度は三地域、二十九年度は七地域での会議が予定されていたと記憶しておりますが、これまでの実績と各会議における主な協議の内容、挙がった重立った意見についてお答えください。  地域円卓会議は、各団体が連携し、得意分野を生かした協力体制を構築した上で、地域力を強化することが目的、あるいは狙いだったというふうに認識をしております。  そして、平成三十年度以降も、引き続き、新たな地域に広げることになっていると認識しておりますが、地域円卓会議の運営について、所管として今後の課題と考えていることがあれば、お聞かせください。 ◎鈴木地域振興部副参事   地域円卓会議の主な協議内容につきまして、ご紹介申し上げます。  協議内容ということで、今まで地域の個性とか魅力、そして心配事、出席団体の活動上の強みや課題など、そういった話をしてまいりました。この中で出された意見ということで、地域については、例えば、ひとり暮らしの高齢者の増加で、横のつながりが希薄になっている一方、集合住宅の増加による子どもたちの増加で、地域が明るくにぎやかになっているといったような声も頂戴しているところでございます。  また、団体の活動につきましては、役員のなり手不足、そして、構成員の高齢化、硬直化、若い人に仲間になってほしいけれども、なかなか入ってきていただけないと、そういったようなご意見を、さまざまな団体に共通した悩みとして頂戴をしたというところでございます。  地域円卓会議を今後進めていく中で、所管としての課題でございますけれども、まず、二つあると考えてございます。  一つは、全十九地域での会議の開催を急ぐことであります。もう一つは、これからテーマを設けて、地域円卓会議を開催することと考えてございます。  例えば、防災や地域の見守りをテーマにして、さまざまな地域団体が一緒に話し合うといったようなイメージを考えてございます。関係各課の地域円卓会議への参加、情報共有化を通じまして、地域の課題解決につなげていければというように考えてございます。 ◆戸枝大幸委員   この地域円卓会議も、当初、いろいろと議論がありましたが、実際に進めてみますと、さまざまな意見が出て、地域をこれから皆さんで考えていこうという姿勢が明らかになってきたんではないかなというふうに思っております。  地域円卓会議に限らず、地域のきずなづくり推進プロジェクトでは、さまざまな事業が実施されてきております。例えば、地域での見守りということを考えますと、高齢福祉課で所管してきているおたがいさまネットワークなどの事業があります。これを推進するに当たり、地域のきずなづくり推進プロジェクトがどのように連携をされてきたのか、今までの実績があれば、お聞かせいただきたいというふうに思っております。  さらに、今後のプロジェクトの推進に当たり、おたがいさまネットワークなどの事業にどのように反映されていく計画なのか、地域振興と高齢福祉の連携・協議がどのように進められていこうとしているのかについてもお聞かせください。  さらに、地域振興、高齢福祉に限らず、その輪を広めていくことが必要であるというふうに考えております。庁内他部署との連携、発展についてどのように考えられておるのか、拡大、発展についてのお考えをお聞かせください。 ◎鈴木地域振興部副参事   まず、庁内の連携の取り組みといたしまして、毎年十月、北区のきずなづくり月間ということで定めさせていただいておりますけれども、その中で、昨年十月に地域で進める見守り活動をテーマに講演会を開催させていただきました。こちら、北区のおたがいさまネットワークと連携、共同開催といたしまして、第一部を講演会、第二部を地域見守りの活動報告会として開催をいたしました。  また、高齢福祉課長と地域振興課長で月一回、情報交換を行ってまいりましたけれども、こういった中で開催をした取り組みでございます。  また、高齢福祉部門との生きた情報交換につきましては、今後も継続をしてまいりたいと考えてございます。  また、今年度二回目の地域円卓会議では、地域の防災について話し合う地域もございまして、こういった地域・防災課の協力を得て、地域円卓会議と地区防災運営協議会を兼ね合わせた会議として開催をする予定でございます。  このテーマを開催することで、あわせて、庁内の関係課長の連絡会を随時開催いたしまして、情報共有を図ってまいりたいと考えてございます。 ◆戸枝大幸委員   この地域のきずなづくりを核として地域振興課並びに高齢福祉課、あるいは庁内の各関連部門が協力していくということは必要なことでありますので、ぜひ、その方向でこれからも取り組んでいただきたいというふうに思っております。  少子高齢化が一層進展する現状において、地域のあらゆるポテンシャルを総動員する考え方は、地域包括ケアを進める上で核となる、そういったことは大前提であるというふうに思っております。今後も、それぞれの成果を一層具体的な事業に反映させていただくと同時に、その連携、強化を期待したいというふうに思っております。  それでは、次に、「子育てするなら北区が一番」を優先課題として取り組んできた北区におきまして、「教育先進都市・北区」の推進は、その根幹をなす重要施策の一つであるというふうに認識しております。  その中でも、花川区長は、これまでも確かな学力の定着や個に応じた教育の推進、グローバル社会で活躍できる子どもの育成、安全・安心な教育環境の整備等について、先駆的な事業に取り組んでこられたとともに、三十年度でもさらに事業を充実された点は高く評価するところであります。  「教育先進都市・北区」を今後も、一層展開し、推進を図るためには、ハード・ソフト両面におけるさらなる対応策が求められていることは言うまでもございません。  そこで、それぞれの課題について伺います。  まず、ハード面として、今後の学習環境の整備について伺ってまいります。平成二十一年に開設された王子桜中学校以降、これまでの学校適正配置の進捗に合わせながら、順次、学校改築が進められてきたということについては、ハード面における教育環境の整備という点で、震災対策の推進という面と合わせて、他区に先駆けた取り組みであると大いに評価をするところであります。  平成三十年度も引き続き、稲付中学校、田端中学校が三年目の工事、そして、浮間中学校の複合施設が二年目の工事となるとともに、王子第一小学校の実施設計なども進められております。  あわせて、滝野川第二小学校のリフレッシュ改修工事なども予定されている中で、北区では、北区立小・中学校改築改修計画に基づいて、改築工事とリフレッシュ改修をあわせて進めることにより、区内の児童・生徒がハード面においてもできるだけ等しく良好な教育環境のもとに授業を受けることが可能となるように工夫された取り組みを推進しているものと評価をしております。  一方で、このところ、人手不足などに伴う人件費の高騰、これは景気回復などの側面では好ましいものと理解をしておりますが、この人件費以外にも資材費を初めとした工事費が漸増傾向にあるものというふうに認識をしております。  そこで、お聞きしますが、先ほど例に挙げました王子桜中学校など、現在の学校改築に要する工事経費の一校当たりの概算額はどのようになっているのか、複合施設などを含め、学校解体経費、もちろん土壌汚染対策経費なども必要とする学校があることについては承知をしておりますので、代表的なものの概算と平米当たりの工事費用の比較についてお聞かせいただきたいというふうに思っております。 ◎鈴木学校改築施設管理課長   ご質問にありました工事費でございますけれども、平成十九年から二十一年ごろに建設されました王子小学校、王子桜中学校、それから、同時期に建て替えを行いました西浮間小学校の平米当たりの単価についてが、約二十五万円ほどでございます。  この春に開校いたしますなでしこ小学校の平米単価が三十七万円ほどでございますので、単価で比べたときに約一・五倍になっていると、このような状況でございます。  また、現在事業中の稲付中学校、田端中学校、浮間中学校を予算ベースで以前の学校と比べますと、およそ一・八倍、平米単価にして約四十五万円ほどになっているという状況でございます。 ◆戸枝大幸委員   平米当たりの工事価格が非常に高騰しているということが今、数字をもって示されたわけでございます。こうした工事費用の高騰の背景には、オリンピック等も含めて、さまざまな影響が考えられますが、今後、この学校改築に関する経費は当分の間、増加傾向が続くものと予測されているのか、見解を伺いたいと思います。  また、それに対して、平成三十年度は基金に二十億円の積み立てをしているところでありますが、今後の改築計画の推進とその財源確保についてはどのような対策を考えているのか、お示しをいただきたいというふうに思っております。 ◎鈴木学校改築施設管理課長   工事費増加の見通しでございますけれども、平成二十三年三月十一日の東日本大震災から増加の傾向にございまして、近年では、ご質問にもありましたように、景気回復の動きであるとか、東京二〇二〇オリンピック・パラリンピック競技大会に向けた需要の伸びということもございまして、慢性的な人材不足が発生している状況でございます。  したがいまして、この増加傾向は、当分の間は続くものと考えているところでございます。 ◎小野村政策経営部参事   私のほうからは、財源と今後の見通し等についてお答えさせていただきます。  学校改築の財源につきましては、いわゆる国費がほとんど期待できないという状況から、これまでも、学校の売却代金などを積み立てました基金、それから起債で賄うということとなってございます。今後も、三十年度予算にありますように、単年度二校の改築が、最終年度を迎えるケース、これからの施設一体型小中一貫校に向けた取り組みなど、実質的には二校分の改築経費に相当する経費が必要になる年度もございます。  基金につきましては、計画的な積み立てを行って、残高確保に努めつつ、また、将来の財政負担を考慮した基金と起債をバランスよく活用して、計画的かつ着実に学校改築事業を推進してまいりたいと考えてございます。 ◆戸枝大幸委員   今ご答弁をいただきました。これから工事費用の増加傾向が続く。そして、その財源確保策がこれからの北区の財源運営について、最も重要な課題の一つであるというふうに認識を共有しているところでございます。引き続き、子どもたちの教育環境の整備に当たって、この財源確保に十分留意しながら事業を進めていただきたいというふうに思っております。  以上です。