平成23年  6月 定例会(第2回) - 06月17日−06号 平成23年  6月 定例会(第2回)   東京都北区議会会議録第六号(第二回定例会)              平成二十三年六月十七日(金)(午前十時開議) −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−      出席議員(四十四人)      一番    赤江なつ君      二番    平方ゆきえ君      三番    花見 隆君      四番    石川小枝君      五番    いぬい宗和君      六番    新部ゆうすけ君      七番    永沼かつゆき君      八番    小野田紀美君      九番    野々山 研君      十番    福田光一君     十一番    佐藤ありつね君     十二番    大畑 修君     十三番    山中邦彦君     十四番    安田勝彦君     十五番    坂口勝也君     十六番    小田切和信君     十七番    前田ゆきお君     十八番    大沢たかし君     十九番    名取ひであき君     二十番    竹田 博君    二十一番    宇都宮 章君    二十二番    山崎たい子君    二十三番    永井朋子君    二十四番    さがらとしこ君    二十五番    稲垣 浩君    二十六番    近藤光則君    二十七番    宮島 修君    二十八番    古田しのぶ君    二十九番    渡辺かつひろ君     三十番    やまだ加奈子君    三十一番    椿 くにじ君    三十二番    戸枝大幸君    三十三番    八巻直人君    三十四番    福島宏紀君    三十五番    本田正則君    三十六番    八百川 孝君    三十七番    大島 実君    三十八番    青木博子君    三十九番    土屋さとし君     四十番    上川 晃君    四十一番    小池たくみ君    四十二番    榎本はじめ君    四十三番    池田博一君    四十四番    山崎 満君      出席説明員   区長             花川與惣太君   副区長            山田統二君   政策経営部長         依田園子君   政策経営部参事        栗原敏明君   (広報課長事務取扱)   総務部長           谷川勝基君   総務部参事          風間美子君   (総務課長事務取扱)   危機管理室長         伊達良和君   地域振興部長         井手孝一君   区民部長           越阪部和彦君   生活環境部長         長尾晴彦君   健康福祉部長         清正浩靖君   保健所長           和田哲明君   子ども家庭部長        中澤嘉明君   まちづくり部長        佐藤佐喜子君   会計管理室長         登利谷昭昌君      政策経営部   企画課長           中嶋 稔君   財政課長           都築寿満君   財政課財政主査        三井孝紀君      総務部   職員課長           宮内利通君   総務課総務係長        加藤正明君      教育委員会   教育長            伊与部輝雄君   教育委員会事務局次長     内田 隆君      議事日程       第一号 日程第一 第二十七号議案 職員の育児休業等に関する条例の一部を改正する条例 日程第二 第二十八号議案 災害弔慰金の支給等に関する条例の一部を改正する条例 日程第三 第二十九号議案 東京都北区特別区税条例の一部を改正する条例 日程第四 第三十号議案 東京都北区監査委員の給与等に関する条例の一部を改正する条例 日程第五 第三十一号議案 東京都北区選挙管理委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例 日程第六 第三十二号議案 東京都北区教育委員会委員の報酬及び費用弁償に関する条例の一部を改正する条例 日程第七 第三十三号議案 東京都北区議会、選挙管理委員会又は監査委員の求めにより出頭する者及び公聴会に参加する者の費用弁償条例の一部を改正する条例 日程第八 第三十四号議案 東京都北区建築審査会条例の一部を改正する条例 日程第九 第三十五号議案 東京都北区子どもの医療費の助成に関する条例の一部を改正する条例 日程第十 第三十六号議案 十条富士見中学校新築に伴う厨房機器の購入契約 日程第十一 第三十七号議案 北区役所第一庁舎及び第二庁舎暫定耐震補強工事請負契約 日程第十二 第三十八号議案 東台橋付近昇降施設設置工事請負契約 日程第十三 第三十九号議案 滝野川紅葉中学校新築工事請負契約 日程第十四 第四十号議案 東京都北区立東田端保育園の指定管理者の指定について 日程第十五 第四十一号議案 平成二十三年度東京都北区一般会計補正予算(第一号) ○議長(小池たくみ君)   三十二番 戸枝大幸さん。    (三十二番 戸枝大幸君登壇) ◆三十二番(戸枝大幸君)   質問に先立ち、東日本大震災により被災された皆様へ、自民党議員団を代表し、心よりお見舞いを申し上げます。  今回の代表質問では、この痛ましい災害を乗り越え、明日への希望につなげるため、日本のそして東北の復興へ向けて東京からできることをなすために北区の本気を問うてまいります。  質問に入ります。  まず、最初に区長マニフェスト実現について伺います。  花川区長は三期目の選挙戦では、子育て支援、高齢者福祉と災害対策の三つの優先課題をマニフェストとして示し、先ほどの所信表明においても、誰もが安心して暮らせるまちを目指すと述べられております。  いずれの項目も北区にとって最重要課題であり、我々自民党としても、この課題推進を期待する立場から、花川区長三選へ向けて推薦いたしております。  そこで、改めて、今回示されたマニフェスト実現に向けて花川区長の決意を伺うものであります。  この区長マニフェスト実現の前段として財源の確保が重要になります。そこで、現在の国難に対応した財政運営と経営改革のさらなる取り組みを求める立場より、順次伺ってまいります。  まず一点目として、今年度の財政運営の見通しについて。  今年度当初予算は、先行き不透明な景気状況の中、少子高齢化の進展や景気・就労対策等、北区が直面する課題に迅速に対応するために、一般会計で約一千三百六十八億円、前年度対比九・九%増という過去最高の予算が計上されております。  一番目の質問として、この財源である特別区民税、特別区交付金は、前年度対比プラスで見込まれております。震災発生後、サプライチェーンの寸断や、電力供給の不安定化により景気悪化が懸念されておりますが、今後、特別区民税の歳入見込みはどのようにとらえているのかお聞かせください。また、企業活動の停滞が懸念される中、特別区交付金は当初予算を確保できるかについてもお答え願います。  二番目に、今年度、財政調整基金は約百九億円を繰り入れることとなっております。これも過去に例を見ない多額の取り崩し額であります。来年度以降、少子化の進展により財政需要は増加していくものと考えられます。今後、財政調整基金を含めた北区の基金について、見通しと活用の方向性についてお答え願います。  三番目に、特別区債も前年度より大きく増額となっております。今後、財政運営を考慮した際に、重要な財源であることは間違いありませんが、次世代への負担の先送りという観点や、また国債の発行残高の増加に伴い、金利の高騰が懸念されるところでもあります。このような点を考慮すると、特別区債は有効に活用しつつも、同時に慎重な対応が求められると思われますが、その対策と活用についての考え方をお答え願います。  四番目に、今後、消費税増税が不可避であることが、政府の復興構想会議などを通して言われております。この消費税の増税が実施された場合に、地方消費税の動向予測なども踏まえて、北区の財政にどのように影響があると考えているかお答え願います。  続いて、二点目として、北区の中期計画と経営改革新5か年プランの改定について伺います。  本年度は、中期計画と経営改革新5か年プランの見直しが予定されております。北区の将来像を実現するための実施計画である中期計画の改定は、全庁を挙げた取り組みが必要であると認識しております。しかしながら、同時にその財源の確保については、当面の厳しい財政見通しを踏まえて、慎重な対応が図られるべきであると考えます。  その財源を確実に確保するため、具体的な対策を進める経営改革プランについては、大胆な見直しと着実な取り組みが必要と考えます。改定への見通しと、取り組みについての考え方をお答え願います。  次に、大きな二点目として、災害対策について伺います。  災害対策の課題の一点目として、原発事故後の区内における放射線による健康被害について伺います。  現在、北区のホームページで保健所が放射線にかかわる情報提供をしており、東京都の見解を踏まえ、今のところ健康被害はないとの見解が示されております。  しかしながら、都内あるいは近隣自治体において独自測定により比較的高目の数値が検出されている例もあることから、区民の方々、特に小さな子どもを持つ保護者の方々から、心配する声が多数寄せられております。  そこで、六月七日に区長会を通じて、東京都に対して放射線観測体制の拡充などを要請し、翌六月八日には区内の測定を行うことを速やかに決定したことは大いに評価したいと思います。  その一方で、放射線に関する問題の困難さは、測定器材あるいは測定方法が異なる値は単純に比較できないことであり、北区独自ではなく広域的に統一された方法で検証可能な形で観測を行う必要があります。  また、放射線の人体に関する基準はありますが、環境基準は現在のところ、国や東京都から示されておりません。このことから、検出された数値の評価が困難であることが指摘されます。  そこで、放射線の区内観測の取り組み方法、また東京都や近隣自治体との連携のあり方、さらに検出数値の取り扱い方についての考え方を伺うものであります。区民の安心・安全のために、迅速適切な対応をされるよう望みます。  続いて、防災対策諸課題について順次伺います。  今回の震災を受け、北区における災害対応の特徴が改めて浮き彫りになりました。  まず一点目は、大量の帰宅困難者が都心から押し寄せるということであります。  北区は二十三区で最も駅の多い区であることが影響し、主に埼玉方面への帰宅困難者を大量に受け入れることになりました。同じ埼玉方面への帰路になるお隣の板橋区と比較して約五倍程度の受け入れであったと聞いております。  そして、特徴の二点目は、北区の高齢化率が高いことと相まって、要援護者への対応はまさに待ったなしで行わなければならないことが改めて認識されております。  こうした点を踏まえ、災害対応時の考え方を抜本的に見直す必要があると考えます。  そこで、まず一点目として、地域防災計画及び災害対策本部の機能の見直しについて伺います。震災以降の北区の被害状況や対応状況を十分に検証し、国の中央防災会議や東京都の動きをとらえつつ、中長期に取り組むべき対応と緊急に取り組むべき対応とを見きわめ、地域防災計画や災害対策本部の機能の見直しについての工程表を早急につくるべきであると考えます。区長の所見を伺います。  二点目として、帰宅困難者への対応について伺います。災害当日の帰宅困難者の受け入れ状況と今後の対応についてお聞かせください。特に、東京都やJRがもっと積極的に対応するよう北区として働きかけるべきであると考えます。震災以前に東京都で策定されている地域防災計画では、職場での震災時には帰宅せずにとどまり、交通機関が回復した後に帰宅するとの基本原則が示されておりますが、今回の震災時にはこのことが徹底されておりませんでした。そこで、この基本原則を今後徹底させることを東京都に対して強く訴えるべきであると考えます。区長の見解を伺います。  また、今回の震災の東京での特徴は、交通機関等の麻痺はありましたが、首都直下型の震災ではなかったことであります。そのため、区内における被災者が少なかったため、帰宅困難者の対応に専念することができました。しかしながら、東京がまさに被災地の中心となった場合には、区内の被災者への対応と帰宅困難者への対応とで、現場の対応が混乱をきわめることは容易に想像がつきます。区内被災者への対応と帰宅困難者への対応との仕切りをどのように考えているのかについても、同様に区長の見解を伺います。  三点目に、保育園、学校等の子どもの引き取りのあり方と、情報伝達手段について伺います。  今回、保護者自身が帰宅困難者となり、子どもを迎えに行くことができず、多くの保育園の職員の方が昼夜を超えて対応したケースがあったと聞いております。また、同時に、保育園の保護者からは、園や子どもの状況をなかなか把握できずに不安になったという声も多くありました。  そこで、保育園や学校での子どもの引き取り状況と保護者への情報伝達手段について、携帯電話によるメール配信システムの活用や、ウエブ上に安否確認の掲示板を設けるなどが必要であると考えますが、今後の課題や対応について区長の所見を伺います。また、今後の保育園、学校での避難訓練、防災教育の取り組み方針についても同様に伺います。  四点目に、高齢者見守り対策について伺います。  高齢者、障害者などの災害要援護者への取り組みには、きめ細かい対応が求められます。今後、中野区の高齢者見守り支援ネットワークなど他の自治体を参考にしながら、災害時も含めた高齢者の見守りシステムを検討するべきであると考えます。区長の今後の取り組みを伺います。  五点目として、今回の震災発生後、北区のホームページや災害情報メールの配信により地震や災害情報が提供されていましたが、このような情報手段を利用できない高齢者など、いわゆる情報弱者と呼ばれる方々への広報・情報提供について、情報バリアフリーの観点から工夫が必要であると考えます。今年度実施予定の高齢者実態調査の結果を踏まえ、地域包括支援センターや地縁団体と連携した広報のあり方が重要になると考えます。今後の広報のあり方について所見を伺います。  六点目に、建物の耐震化について伺います。  北区は西ケ原、十条、志茂と木造密集地域が多い地域であります。地震による倒壊や火災などの危険性がたびたび指摘されてきております。こうした中で、震災後の東京都の緊急輸送道路沿道建築物の耐震化を推進する条例が施行されており、耐震化の費用助成も打ち出されております。こうした施策と連携しながら、あらゆるまちづくり手法を活用し、より積極的に建物の耐震化に取り組むべきであると考えますが、区長の意気込みと所見を伺います。  七点目として、庁舎建て替え計画について伺います。  今回の震災の際、明らかになったことの一つとして、地域の復旧・復興の核となるのは自治体の庁舎であり、震災後の対応のスピードは、この庁舎の健全性によるところが大であります。区庁舎の建て替え方針が改めて確認されるべきであると考えております。  そこで、区長に三点伺います。  まず、一点目は、今回の震災を踏まえ、庁舎の重要性についてどのように認識されているのか。  二点目は、現在の庁舎について、今年度耐震補強の予定がありますが、これは建物の倒壊を防ぐことを目的としたものであり、行政機能の維持については二の次とされている印象があります。実際に、首都直下型の震災が起こった際には、庁舎の倒壊は免れたとしても、行政事務にどの程度支障が発生すると予想されているのか。  三点目に、区財政の厳しさが見込まれておりますが、区民の生命と財産を守る司令塔として、震災に耐え得る庁舎建設の優先順位は高く設定されるべきであると考えます。今後の庁舎建設への財源の見通しについてお答え願います。  八点目に、停電時、JR等不通時の職員登庁状況と区役所業務の維持についての考え方を伺います。  九点目に、基準点の再測量について伺います。  今回の震災後、東北から関東にかけて大きな地殻変動が観測されております。東京の区部においても、数センチ程度の影響があるとされていますが、まちづくり事業などへの影響について伺うものであります。また、土地は区民の大切な財産であります。事業を円滑に進める上でも、基準点の再測量を行うべきであると考えます。区長の所見を伺います。  続いて、被災地及び被災者への支援について伺います。  北区では、今回の大震災に際し、被災地への支援として、救援物資の搬送、義援金の受け付け、職員の被災地への派遣など、迅速かつ的確な対応をされております。  また、被災地支援担当の専管組織を速やかに立ち上げ、震災によって帰る家を失った被災者が多数発生したことを受け、こうした被災者を一時的に受け入れるために、豊島緊急避難施設の開設を速やかに決定されたことはよい決断だったと考えております。  しかしながら、区財政が厳しい中で虎の子の予備費約一億円を投じて施設整備を行っていることから、有効に活用されることが望まれます。  同施設では、コミュニティ単位での被災者受け入れを想定しているため、現在のところまとまった入居予定のめどは立っていないとのことであります。今後も入居の予定が立たないようであるならば、施設の有効活用のため、コミュニティ単位での受け入れ方針を見直し、柔軟な運用に改めるべきであると考えます。  被災された方の中には、コミュニティを離れ、区内の身寄りを頼って個別に避難してきている方も多くおりますが、住まいが手狭なため苦労しているという相談を多くいただきます。こうした被災者への枠を設け、抽せん等により入居いただくのも一つの方法であると考えます。  そこで、改めて、被災者受け入れの現在の状況と今後の対応について区長に所見を伺います。  また、今回の震災の直接の被災地ではありませんが、私ども北区は、山形県酒田市と友好交流都市として長年にわたる信頼関係にあります。酒田市は、震災後の東北地方全体の経済活動の低下、特産品の売り上げ減や観光客の大幅な減少などの影響を多く受けております。このようなときこそ、築いてきた信頼関係をより強固にするため、特産品の購入はもちろん、人的交流も継続し「がんばろう東北」を支援する一環として、酒田市の地域経済の一助となるような取り組みが必要ではないかと思います。区長の所見をお聞かせください。  次に、防災という観点から、水害対策について伺います。  まず、基本的な認識として、今回の震災の特徴の一つとして、震災被害と津波による水害とが同時に起こっていることが指摘されます。従来、震災と水害とは別個のものとして対策が立てられてきている傾向がありますが、今後は複合的なものとしてとらえ直されるべきであります。  我が区においては、昨年度の集中豪雨により深刻な水害が発生しております。そこで、今年度より都市型水害の専門家を交えて施策の研究がなされておりますが、今回の震災を踏まえて、今後の研究の方向性をどのようにとらえているのかお聞かせください。  また、今年も夏の集中豪雨発生の時期が迫っております。現在行われている水害対策の各事業について、現在の進捗をお答え願うのと同時に、水害再発防止への区長の強い決意を述べていただくよう求めます。  大きな質問の三点目として、三・一一後の地域経済、新エネルギー政策について伺います。  一点目として、地域経済の下支え策について伺います。二〇〇八年のリーマン・ショック以降、我が国の景気は大幅に減速しました。その際に区内景気を下支えする政策として、区内商品券の発行支援と公共事業の適切な発注が非常に有効に機能しておりました。今回の震災の影響により、復調傾向が見られていた景気は、再び見通しが立ちにくくなっております。  そこで、区内景況に十分に注意しつつ、区内商品券の発行支援と公共事業の適切な発注について優先課題として取り組むべきであると考えます。特に、区内商品券については、今年度の運用では五千万円分の発行を年三回予定しておりますが、さらにもう一回上乗せして、間断なく景気刺激策を行うべきであると考えております。区長の所見を伺います。  二点目として、この夏の節電対応と新エネルギー政策について伺います。夏の電力需給に応じ、必要とされる節電への協力について、区は区民の先頭に立ち率先して取り組む姿勢を示す必要があると考えておりますが、同時に、区民サービスの提供体制に影響が出ることも見込まなければなりません。現在も一部施設で営業時間の短縮などが行われておりますが、夏の本格的な節電体制に備え、区民サービスへの影響とその周知についても、今後も丁寧に行うべきであると考えます。この点について、区有施設の節電見通しを踏まえて、答弁願います。  続いて、中長期的な節電並びに省エネについて伺います。  平成二十一年に改定されたエネルギー使用の合理化に関する法律、いわゆる省エネ法によって、北区は特定事業者として指定され、中長期的に年平均一%以上のエネルギー使用量の削減が課せられております。これに対応する形でエコアクション21を実施しておりますが、従来的な手法で今後も継続的に削減し続けていくことは厳しい状況にあるものと認識しております。  そこで、施設の更新を適切に行っていくことが省エネという観点から最も有効であると考えておりますが、現在策定作業中の中長期省エネルギー計画の方向性も含めて、区長の所見を伺います。  また、区有施設の中でも、最もエネルギー効率が悪いとされている現在の庁舎から新庁舎へと移行した場合について、中長期の省エネへの貢献予測についてもお答え願います。膨大な量のエネルギー削減が期待できるのではないかと考えております。  次に、電力エネルギーの供給量低下や、LNGの価格が高騰している中で、新エネルギー政策への期待は大いに高まります。現在、新エネルギー政策の一環として、国・都の政策とあわせて、我が区においても太陽光パネル設置助成を行っておりますが、新たに北区の住宅事情を踏まえた取り組みを行うべきであると考えております。  我が区の住宅事情の特徴として、狭小な物件が非常に多いことが挙げられます。従来から活用されている太陽光パネルは、その特性上、広い面積に設置してこそ大いに有効性を発揮しますが、狭い面積で設置した場合には、設置重量との見合いも勘案すると決して効率的とは言えません。そこで、太陽熱温水器など、重量も軽く、狭い面積でも効率的に機能する機材の導入を促進する政策も新たに実施するべきであると考えます。区長の所見を伺います。  引き続き、今年も猛暑が予想され、ヒートアイランド現象は依然として悩ましい問題の一つであります。これを幾らかでも緩和する効果があると期待されているのが屋上緑化であります。現在、区では屋上緑化助成制度を実施しておりますが、利用件数は平成二十一年度二件、平成二十二年度五件と芳しくありません。  そこで、同制度の運用について、利用者のすそ野を広げるよう柔軟に行っていくべきであると考えます。一例として、現在の要綱では対象となる緑化樹木は多年草に限られておりますが、野菜や一年草の花などへも拡充すべきであると考えます。屋上緑化のかぎは、どれだけ愛着を持って屋上庭園の手入れをしてもらえるかにかかっており、利用者の多様な趣向に応じた制度運用が緑化推進に大いに寄与するものであると考えます。区長の見解を伺います。  また、通常の緑化事業について、マンションや駅前の事業者との連携を図り、緑地帯を整備することでも大いに効果があると考えます。これは同時に、花まち事業の伸展にもつながるものであります。区長の答弁を求めます。  大きな質問の四点目として、学校の災害対応策と教育環境向上への諸課題について伺います。  まず、一点目として学校改築について伺います。今回の震災を受け、子どもたちを守ること、そして災害時の地域拠点となることから、学校の耐震改修と改築事業を行うことの重要性は増しております。そこで、耐震改修の今後の見通し、残り四校の予定についてお答え願います。  また、改築事業の見通し、改築の必要性の認識について、改めて区長並びに教育長の見解を伺うと同時に、今後の改築の計画についてお聞かせください。  二点目に、学校の震災対応について伺います。今回の震災後、被災家庭の児童生徒受け入れについて、十七名受け入れていると聞いております。この児童生徒の受け入れについて、千葉県船橋市では、避難した子どもが「放射線がうつる」などと言われ、いじめが起こった事例があります。こうした事例を教訓に、学校、PTA、地域が一体となった支援のあり方、また、十分な心のケアが必要となります。区の取り組みについてお答え願います。  また、学校避難所のあり方について伺います。  災害発生後、地域防災マニュアルに基づき各学校において速やかに避難所が設営されておりますが、その学校避難所の運営について現場では混乱があったと聞いております。先ほども災害対策の項目でも述べましたが、当初は地元の被災者を対象に想定していたところが、大量の帰宅困難者の発生により、急遽、その受け入れ拠点として運営することになったことが大きな原因であります。そこで、今回のような帰宅困難者への対策として、学校をどのように位置づけていくのか、お答え願います。  また、こうした災害時における危機管理室等の区長部局と教育委員会との連携体制について、どのように整理されていくのかについてもお答え願います。  続いて、学校防災マニュアルについて、子どもの引き取り基準について定める必要があると考えます。今回の震災時には、定まった基準が存在していなかったことから、各学校長の判断にゆだねられておりましたが、今後の基準やあり方などについてもお答え願います。  三点目に、教育環境向上への諸課題について伺います。  まず、一点目として、少人数学級について伺います。従前より、少人数教育の推進について提言してまいりましたが、昨年度の政府方針、文科省の三十五人学級計画により、我が区においても少人数学級への移行がなされつつあります。  そこでまず、我が区における少人数学級移行の実態と見通しをお聞かせください。学級の規模と学校の規模との関連性については、今後も注意深くとらえる必要があると考えております。中学校の適正配置が一段落したことにより、中学校が大規模化しつつありますが、他方で、小学校においては小規模校が多くあります。この状況を教育委員会としてどのようにとらえ、また、今回の少人数学級への移行をどのように活かしていくのかお答え願います。  同時に、少人数教育の実効性を上げるための教員の配置や資質の向上についても答弁願います。  二点目に、学力問題について伺います。従前より問題となっている小一問題と並び、中一ギャップの解消が求められています。基礎基本の定着を中心とした学力の向上と、思春期特有の不安定な心理状態から来る学校不適応に対応することが必要でありますが、今後の取り組みについて見解を伺います。  また、新しいタイプの学校、コミュニティ・スクールとして西ケ原小学校が成果を上げております。今後、意欲ある学校が出てきた場合、コミュニティ・スクールとして推進していく考えがあるのかお答え願います。また、学校サブファミリーとの連携も視野に入れていくべきであると考えます。所見を伺います。  現在のコミュニティ・スクールである西ケ原小学校の運営について、区としてどのような見解を持っているのかについてもお聞かせ願います。  続いて、学習意欲向上に効果がある取り組みとして、NIE、新聞大好きプロジェクトについて、現在の取り組みと今後の展開について伺います。  大きな五点目として、少子高齢化対策の展開について伺います。  区長マニフェストにおいて、「子育てするなら北区が一番」と「長生きするなら北区が一番」を優先課題とすることが掲げられております。  そこで、まず「子育てするなら北区が一番」について伺います。この具体的な施策であります保育園、学童クラブの待機児解消策について、これまで北区が行ってきた施策と、それについてどのような評価をなされているのか、今後の展開の前段として区長の見解をお聞かせください。  また、今後は、女性の就業率の向上だけではなく、ワーク・ライフ・バランスの進展などにより働き方も変化しつつあります。そういった社会情勢の変化を確実にとらえ、子育てしやすい環境づくりが必要になると考えております。具体的には、フルタイムだけではなくパートタイムの構成比率などを分析し、保育需要をきめ細かく把握した上で、サービスを提供できる体制づくりなどが必要になると考えております。今後の待機児解消策の方向性について、区長の見解をお聞かせください。  続いて、「長生きするなら北区が一番」、高齢化対策について伺います。現在、我が区の高齢化率は二四・六%と二十三区で最も高くなっております。こうした中で、「長生きするなら北区が一番」の区長公約の趣旨は、これからもふえ続けるご高齢者にとって快適なまちを実現することにあると認識しております。  そこで、この公約を実現するための取り組み手法が重要となりますが、区長はどのような手法をもって臨まれるのか、まず最初に伺います。  高齢化対策の二点目として、地域包括ケアへの考え方を伺います。  地域包括ケアとは、ご高齢者が住みなれた地域の中で介護サービスや生活支援サービス、医療や予防サービス等を一体的に受けられるシステムであります。現在着実に進行しつつある超高齢社会への対応策として、地域包括ケアが今後求められるシステムであると政府、厚労省は繰り返し提言しております。介護、医療の制度改革は既にこの方向で動き出しております。来年度予定されている介護保険法改正においても、この方針が織り込まれる見通しであります。  そこで、これからは自治体における地域包括ケアの具体的なあり方、構想が問われます。既存の地域包括支援センターの活用や、区内の医療系団体等との調整、地縁団体との連携、さらに今後予定されている高齢者実態調査に基づく分析など、乗り越えるべきハードルは多くありますが、北区は二十三区でも高齢化率のトップランナーであり、他の自治体に先駆けて地域包括ケアへの取り組みを前面に押し出していくべきであります。「長生きするなら北区が一番」を実現するためには、地域包括ケアへの積極的な取り組みが切り札になると考えておりますが、区長の決意を伺います。  三点目として、区内の医療拠点である北社会保険病院、印刷局東京病院の存続について、それぞれ区当局として現在どのように把握し取り組まれているのかお答え願うと同時に、今後の取り組みへの決意についても区長より述べていただきたいと思います。  以上、北区の本気を引き出し、今回の災害を乗り越えるための質問をいたしました。区長並びに関係理事者の皆様の渾身の答弁を切に願い、質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。(拍手)    (区長 花川與惣太君登壇) ◎区長(花川與惣太君)   自由民主党議員団を代表して、戸枝大幸議員から私のマニフェストを初め災害対策、節電や新エネルギー政策、さらに教育環境や少子高齢化対策など、いずれも区民の生活に密着した課題を多岐にわたり深く掘り下げて、ご意見、ご提言を賜りました。まことにありがとうございます。  それでは、順次お答えさせていただきます。  初めに、区長マニフェスト実現について、順次お答えさせていただきます。  まず、マニフェスト実現に向けての決意であります。  今回の選挙では、少子高齢化対策や水害・地震に強いまちづくりなど三つの優先課題を含む七つの公約を掲げ、区民の皆様に約束いたしました。新たな四年間についても、「区民とともに」を基本姿勢として、区民の皆様とともに考え、また区議会のご支援、ご協力をいただきながら、幸せを実感し、希望を持てる安心安全あしたの北区の実現に向けてマニフェストを着実に実行してまいる所存であります。  次に、財政運営と経営改革のさらなる取り組みに関するご質問にお答えいたします。  平成二十三年一月に発表された本年度の政府の経済見通しでは、景気は持ち直し、経済成長の好循環に向けた動きが進むと見込まれました。しかし、先行きの不透明感は払拭できない状況にあり、北区の財政もここ数年間は厳しい状況が続くものと予想され、今年度当初予算では子育て施策や高齢者施策に重点的な配分を行うとともに、現下の経済状況を踏まえて景気対策、就労・雇用支援対策にも積極的に取り組む予算としたところであります。  しかし、三月に発生した東日本大震災により東北地方を中心に広域にわたる激甚な被害が発生し、現在、国と地方自治体は災害応急活動に総力を挙げて取り組んでいるところでありますが、今後の日本経済への影響ははかり知れないものがあり、本年度の北区の財政もこれまでに経験したことのない厳しい状況に置かれることが懸念されます。  このような現状において、まず特別区民税につきましては、平成二十三年度当初予算編成時に、昨年一年間の国の経済成長率を踏まえ、前年度比〇・六%の増加を見込んだところであります。しかし、その後発生した東日本大震災や計画停電等による経済活動の停滞から、当初予算で見込んだ特別区民税の確保につきましては非常に厳しい状況が予想されます。このため、税収確保策につきましては、これまでも収納対策本部を中心としてさまざまな取り組みを実施してまいりましたが、今年度は収納推進課を設置し、これまでの対策を強化・発展させるとともに、さらに効果的な収納対策の検討を進め、税収確保に全力で取り組んでまいります。  次に、特別区交付金の見込みについてお答えいたします。  本年度当初予算編成時に東京都が企業収益の持ち直しを反映して、特別区交付金の原資である市町村民税法人分等の増加を見込んだことにより、北区の交付金も前年度比一・八%の増加を見込みました。しかし、特別区民税同様に、東日本大震災による今後の経済活動への影響や、さらには大震災発生前からの課題であるデフレや円高、そして雇用情勢の悪化等による影響など、当初予算に計上いたしました特別区交付金の確保につきましては非常に懸念材料が多い状況であります。  今後も景気の動向、そして国・東京都の動向にも十分注視しつつ、適宜情報の収集に努め、適切な対応が図れるよう努力してまいります。  次に、基金に関するご質問にお答えいたします。  平成二十三年度予算は、財源対策として財政調整基金を大きく取り崩す予算となっています。また、今後も少子高齢化や施設の更新需要に伴う財政需要の増加などが見込まれ、将来に対する見通しは極めて不透明な状況下にあります。このため、持続的な行財政運営を可能とするため、経営改革新5か年プランの見直しに着手し、改めて事務事業の見直しに努めさせていただく予定ですが、この間、貴重な財源対策の一つとして、財政調整基金を含めた五基金につきましては、有効かつ慎重に活用させていただきたいと考えております。  次に、特別区債に関するご質問にお答えいたします。  平成二十三年度予算では、学校の改築のほか庁舎の暫定耐震補強工事や(仮称)赤羽体育館の建設などの計画事業に特別区債を活用させていただいております。これまでも大規模施設の建設に取り組む際には、基金の活用と並ぶ貴重な財源対策の一つとして特別区債の発行が可能となる事業には、区債を有効に活用することにより計画的な事業の進捗に努めてまいりました。  今後も区立小・中学校の建て替えを初めとした公共施設の更新を順次計画的に進めていく必要がありますが、その際には多額の資金が必要とされるところであります。この状況に適切に対応するには、中長期的に行財政水準を維持しつつ、あわせて区民サービスの安定的な提供を図るために、今後、公共施設の再配置にも取り組むとともに、市中金利の動向や、さらには将来世代への負担の影響等にも十分注意しながら、計画的に特別区債を活用し事業を推進していく必要があると考えております。  次に、消費税に関するご質問にお答えいたします。  現在、消費税の五%のうちの一部分は地方消費税として地方自治体に交付されており、北区においても貴重な一般財源として予算に計上し活用しております。現在、政府税制調査会における社会保障と税の一体改革に向けた税制の抜本改革の議論において、消費税の取り扱いについては検討がなされていると承知しております。  これまで、特別区側からは、地方税財源の充実のために、国に対して、地方がその責任と権限に応じた役割を果たせる財源を国の責任において保障するとともに、事務事業に見合う税源移譲が行われる際には、地方消費税等の偏在性が小さく税収が安定的な税源の移譲を行うことなどを求めてまいりました。今後も、国の議論の推移を注意深く見守りつつ、地方の役割分担を踏まえた改革が進められるよう、時期をとらえた適切な対応に取り組んでいく必要があると考えております。  次に、北区経営改革新5か年プランの改定に関する基本的な考え方についてお答えいたします。  新5か年プランは、戦後最悪の経済危機下において、中長期的に安定した区政運営を目指し、さらなる経営改革への取り組みが必要との認識から昨年三月に策定しました。改定に当たりましては、新たな中期計画の策定に向けて財源確保を図るため、少子高齢化の進展、公共施設の更新需要の増大等、状況を十分に踏まえながら、内部努力の徹底、歳入確保、役割分担の見直し等の視点から施策を見直すとともに、昨年九月に策定しました緊急的な財源対策と財政健全化に向けた方針につきましても見直しを行い、新5か年プランとの一元化を図ってまいります。  また、東日本大震災の影響により景気が下ぶれするリスクの存在が懸念されており、厳しい財政状況下におきましても、子育てや教育、高齢者対策、安全・安心なまちづくり等、多くの課題に対応可能なように、緊急的な財政対策についても検討してまいります。  北区は、これまでも経営改革に努めてまいりましたが、今後も全庁を挙げて経営改革に取り組み、持続可能な区政運営の実現に努めてまいります。  次に、災害対策に関するご質問に順次お答えいたします。  まず、放射線の測定についてであります。  区では、東京都が都内全域で放射線測定を行うのに合わせ、都から貸与を受けた測定機器を使い、区立の小・中学校、保育園・幼稚園、公園等において、区職員が空間放射線を東京都の測定方法に準拠した方法で測定します。また、区立小・中学校全校のプール水の放射能測定と三カ所の施設での土壌、砂場、大気の放射線等を板橋区の測定方法に準拠した方法で測定します。測定結果については、なるべく早く区のホームページに公開します。今後も、東京都や周辺区と連携し、比較可能な方法で調査を行っていきます。  次に、地域防災計画及び災害対策本部の機能の見直しについてお答えいたします。  区では、今回の震災を踏まえ、学識経験者等による(仮称)災害対策のあり方検討会を設置し、震災による北区の被害状況や対応状況の検証を重ね、区民の皆様のご意見もちょうだいしながら、今後の北区の防災対策の方針を定めてまいりたいと考えております。  また、今後、国の防災基本計画の見直しや東京都の地域防災計画の修正の動向を見据えつつ、地域防災計画の修正を行うとともに、北区として早急に対応すべき課題について、鋭意取り組んでまいります。  工程表につきましては、でき得る限り早い時期に所管委員会に報告させていただきたいと考えております。  次に、帰宅困難者への対応についてお答えします。  地震発生直後から各交通機関が運行停止となり、区内の施設に一時的に滞留した人数は、翌日の午前四時には約六千人に達しました。帰宅困難者対策については、最近発表されました国の首都圏白書や東京都の東京緊急対策2011において大きな検討課題となっておりますので、北区といたしましては、議員ご提案の趣旨を踏まえ、東京都に対し申し入れてまいります。  次に、区内被災者への対応と帰宅困難者への対応との仕切りについてお答えいたします。  今回はやむを得ず避難所である区立小・中学校を順次開放しましたが、本来、学校は被災された区民の方々を受け入れるための施設であります。北区が大きく被災した場合には、区民の皆様を受け入れるだけで手いっぱいとなり、北区を通過して帰宅される方を受け入れるのは困難な状況となります。今後、東京都に対して抜本的な対策を推進するよう申し入れてまいります。  次に、保育園の子どもの引き取りのあり方と情報伝達手段についてであります。  震災が発生した場合、保育園では児童の身の安全を確保した上で、保護者に連絡し、児童の引き取りをお願いしておりますが、今回の大震災では、電話回線が混乱し交通機関がストップするなどにより、保護者への情報伝達や児童の引き取りがスムーズに行えない状況が発生しました。  今回の震災での教訓から、保護者が帰宅困難となり、児童の引き取りが困難となった場合には、保護者がご自身の身の安全を確保した上で、安全にお迎えに来られるようになるまでは職員が児童に付き添い、安全・安心な保育に努めます。  また、震災時の保護者への情報伝達につきましては、複数の手段を確保しておくことが必要と考えますので、ご提案いただきましたような手段を含め、運用面でのさまざまな課題を整理した上で、保護者に迅速かつ正確に情報伝達できる手段を研究し、整備に努めてまいります。  さらに、震災発生時の心構えや避難場所、避難経路の確認など保育園における避難訓練や起震車体験などを通じて、児童や職員への防災教育を徹底するとともに、保護者への防災意識の啓発にも努めてまいります。  次に、高齢者の見守り対策についてであります。  区では、民生委員の定期訪問やおたがいさまネットワーク事業による地域包括支援センターを中心とした地域の見守りを行っております。  このたびの震災を受けて、日常時に加え、災害時の安否確認等についても検討する必要があると考えています。今後、「長生きするなら北区が一番」専門研究会や東洋大学との提携事業によるモデル調査・研究などにより、他自治体の先進事例や幅広い専門家の意見を伺い、災害時も含めた見守りシステムの拡充を検討してまいります。  次に、情報弱者と呼ばれる方々への広報、情報の提供であります。  大地震や水害などの緊急時、情報機器を使えない方々に対しては、防災無線や広報車などで直接呼びかけるなど情報の提供に努めてまいります。また、今後、実施いたします全高齢者実態把握調査の結果を踏まえ、きめ細かな情報の提供について検討してまいります。  次に、建物の耐震化についてお答えいたします。  東日本大震災を受けて、区民の皆様の建物の耐震化に対する関心は極めて高くなり、木造住宅耐震診断士等派遣事業の申し込み件数も急増しております。  緊急輸送道路沿道建築物の耐震化につきましては、本年四月から耐震診断、設計、改修工事費の助成を開始したところであります。さらに、特定緊急輸送道路沿道建築物の耐震診断費用の助成につきましても、速やかに実施できるよう準備を進めております。  密集事業等のまちづくりのあらゆる機会をとらえ、建物の耐震化が推進できるよう、積極的に取り組んでまいります。  次に、震災を踏まえた庁舎に関する考え方について、順次お答えいたします。  この大震災で庁舎が損壊し多くの職員が被災した自治体では、災害発生後の対応に混乱が長引き、おくれが生じたと聞いております。中でも、庁舎がすべて壊滅した岩手県陸前高田市、大槌町、宮城県南三陸町は、市役所や町役場が全くの機能不全に陥り、住民の方も職員も筆舌に尽くしがたい苦労をされたことと存じます。  こうしたことから、北区においても、いかなる災害時にも常に区民の安全確保を第一に災害対策の司令塔として機能し、自治体の役割を果たしていける区庁舎が必要であると改めて痛感いたしました。  また、新庁舎ができるまでの対策として、今年度、耐震補強工事を実施いたしますが、この工事は関東大震災や新潟地震と同程度の規模の首都圏直下型地震が発災した場合、庁舎建物が直ちに倒壊することを避けることを目指すものであります。設備機器の損壊、電気系統などのライフライン途絶の可能性が高く、ほとんどの業務の継続は残念ながら困難となるおそれがあると考えています。  次に、新庁舎建設の財源に関するご質問にお答えいたします。  新庁舎建設に際しましては、建物部分だけでも多額の費用が必要となってまいります。その財源対策として、平成二十年度からこれまで毎年十億円を施設建設基金に積み立ててまいりました。また、今後、事業に着手する際には、特別区債も活用し対応してまいる予定ですが、そのほかにもなお一層の財源対策を工夫する必要があります。  今後も可能な限り、施設建設基金に積み立てを行わせていただくとともに、着実な新庁舎建設の実現に向けて全力を挙げて取り組みを進めてまいりたいと考えております。  次に、職員が出勤できない状況や停電時における業務体制についてであります。  万が一、交通手段が途絶えた場合、何らかの方法で三時間以内に参集できる職員はおおむね千二百人弱と推計しております。そのほか、限られた職員が北区業務継続計画にのっとって、区民生活に不可欠な業務や区民の重大な安全にかかわる業務、また法令等に処理期限がある業務等を継続させることとしています。  また、業務時間中に停電となった場合、コンピューターシステムによる業務は休止せざるを得ませんが、受け付けや相談業務などでき得る限りのサービスを継続してまいります。  次に、基準点の再測量についてであります。  このたびの東日本大震災の影響により、区の都市計画事業、地籍測量事業などで利用している基準点にもずれが生じております。事業スケジュールの見直しを行うものが出てきておりますので、詳細につきましては、所管委員会でご報告させていただきます。  次に、被災者受け入れの現在の状況と今後の対応についてご質問にお答えいたします。  六月十日現在で、北区で把握しております避難されている方は三十世帯、四十八名です。豊島緊急避難施設については、施設での生活を円滑に送り、避難元自治体からの情報が届きやすいという点でも一定の地域・集落といったコミュニティ単位での受け入れが望ましいと考えています。今後、状況の変化を見きわめつつ、今しばらくは推移を見守ってまいりたいと存じますが、状況によって議員ご提案のような方法についても検討してまいりたいと存じます。  次に、酒田市の地域経済を盛り上げる取り組みについてお答えします。  酒田市とは平成九年に友好都市交流協定を締結しておりますが、それ以前からふるさと北区区民まつりへの参加、ママさんバレーボールの交流、都会っ子ふれあい農業体験等さまざまな交流活動が続いております。  現時点では、酒田市からは特別な申し出はありませんが、今後も区民まつりやふれあい酒田などのイベントを通し、交流をより強固なものにしていきたいと考えております。  まず、今回の震災を踏まえた研究の方向性についてお答えいたします。  区では、東日本大震災及び局地的な集中豪雨による浸水被害の発生を受け、学識経験者等による(仮称)災害対策のあり方検討会を設置し、震災、風水害対策について検討するとともに、防災体制の見直し、地域防災計画への反映・修正等を行う予定であります。  次に、水害対策の各事業の進捗状況についてであります。  本年六月に石神井川流域八カ所に水位計、七カ所にカメラを設置し、水位観測により区民の皆様が安全な場所への避難及びその準備を行うための情報提供を行っております。  また、雨水貯留槽、止水板の設置費助成により、現在までに止水板一件、雨水貯留槽十件の助成をいたしました。  今後とも東京都、関係区市とも連携を図り、水害の再発防止に向けて全力で取り組んでまいります。  次に、地域経済の下支え策の充実についてのご質問に、お答えいたします。  今年度の区内共通商品券については、当初は九月以降、三回に分けて発行する予定でしたが、消費の下支えが必要との認識から前倒しして、来月から発行することとしたとお聞きしています。したがいまして、回数をふやすことについては、今後の景気動向を見据えながら検討してまいります。  また、区が発注する公共事業につきましては、東日本大震災以降においても、維持補修を含め中小企業の受注機会を確保するため、区内事業所への発注に努めてまいります。  次に、区有施設の節電に関するご質問ですが、今般の電力事情をかんがみ、庁舎、北とぴあなどの電力大口需要施設はもとより、区内のすべての施設において、昨年ピーク時の一五%削減を目標に節電に取り組んでいるところです。  これから電力消費量の極めて大きい冷房を稼働させる時期を迎えますが、さらに区民の皆様のご理解とご協力をいただきながら、業務時間の短縮や休館を含め、節電の工夫と努力を重ねていく所存です。  現在、節電に対するご不満や苦情は極めて少なく、区の努力にご支援いただいているものと受けとめていますが、より一層丁寧な周知等に努めてまいります。  次に、節電と中長期的な省エネについてお答えいたします。  まず、区有施設の更新時の対応についてです。  区では、公共施設の更新に合わせ、最新省エネ機器や太陽熱温水器などの新エネ機器を導入することが二酸化炭素の削減、ランニングコストの低下に有効であると考えています。また、既存の施設の設備を交換するとともに、新エネ、省エネ機器を導入することも有効です。現在策定中の中長期省エネルギー計画では、この点を踏まえ、区有の全施設での設備機器を調査し、機器ごとに最新の製品に交換した場合のエネルギー削減効果を推計する予定であります。  なお、新庁舎建設基本構想検討会の中間のまとめでは、新庁舎は環境に配慮し、自然エネルギーの活用、省エネ、省資源等を意識した機能の導入を目指すとしていますが、建物の規模や構造等が確定していないため、現時点では現庁舎との比較は困難です。  次に、太陽熱温水器などの導入についてであります。  太陽熱温水器については、現在、設備の設置費助成を行っていますが、強制循環タイプの機器はエネルギー効率が非常によいにもかかわらず、残念ながら、平成二十二年度の助成実績は二件にとどまりました。  そこで、区では強制循環タイプの温水器と潜熱回収型給湯器を一体化させた新たな家庭用機器を豊島保育園の改修に合わせ導入することで、区民の皆様へ機器の省エネ効果等をお示しする予定であります。  今後とも、建て替え時等に合わせ太陽熱温水器を積極的に導入します。  次に、緑化事業についてお答えいたします。  屋上緑化については、最近は技術革新が著しく、多様な緑化が可能になっています。また、ご指摘のように、区民の皆様のニーズも多様化していると認識しています。これらの状況に対応するため、現行の助成要綱を改正し、多様なニーズにこたえる緑化事業を展開できるようにしていきます。  次に、学校の災害対応策と教育環境向上への諸課題についてお答えいたします。  まず、学校改築についてであります。  所信表明でも申し上げましたとおり、「子育てするなら北区が一番」をより確かなものにしていくために、また安全・安心の観点からも、教育分野においてこれからも計画的に学校改築を行い、教育環境の向上を図ることが重要と認識しております。  なお、改築に当たりましては多くの財政負担を要することから、今後とも教育委員会との十分な調整を図ってまいります。  次に、「子育てするなら北区が一番」についてお答えいたします。  まず、保育園、学童クラブの待機児解消策、具体的な取り組みと評価についてであります。私の所信表明の中でも「子育てするなら北区が一番」を優先課題としており、中でも待機児解消には重点的に取り組んでおります。  具体的な取り組みとして、保育園については本年四月の待機児解消を目指し、三歳児未満での区立保育園四カ所の新設や私立保育園三カ所、認証保育所三カ所の新設や改築など、定員拡大のための整備を行い、前年四月と比べ、受け入れ枠を四百人拡大しました。学童クラブにつきましては、これまでも定員拡大を行ってきましたが、昨年十二月には滝野川第三小学校内に学童クラブを新設いたしました。  これらの待機児解消策により、本年四月の待機児童数は昨年より大幅に減少させることができました。「子育てするなら北区が一番」の取り組みを、また一歩進めることができたと考えています。  次に、今後の待機児解消策の方向性についてです。  少子高齢化による労働力人口の減少が進む中で、女性の就業率は今後もふえ続け、保育需要はさらに増加すると見込まれます。また、育児・介護休業や短時間の勤務、短時間正社員制度などの普及により、ライフスタイルに応じた多様な働き方を選択する方が増加することも見込まれます。来年四月も、認可保育所、認証保育所の新設を予定しているところでありますが、今後も認可保育所を保育サービスの基本としながら、多様な働き方に応じ、利用者が安心して保育サービスを選択できるように多様な保育サービスの充実に努めてまいります。  次に、高齢者対策についてお答えいたします。  まず、「長生きするなら北区が一番」を実現させるための取り組みの手法についてであります。  「長生きするなら北区が一番」と実感していただく施策を進めるには、多くの高齢者の皆様の実態を十分把握しつつ、幅広く専門家の英知を集め、先進事例等を研究しながら、北区に最もふさわしい効果的な仕組みを検討していく必要があると考えています。そのため、まず今年度は八月から実施する全高齢者実態把握調査で一人ひとりの高齢者の生活状況や健康状態、地域とのかかわりなどについても把握するとともに、区の施策についてのご意見を伺う予定であります。  あわせて、「長生きするなら北区が一番」専門研究会や東洋大学との提携によるモデル調査・研究事業で、高齢者福祉や介護の専門家との意見交換や先進事例の検討を幅広く行います。こうした研究会の中で、全高齢者実態把握調査や介護保険事業計画のアンケート結果を踏まえ、北区にふさわしい見守り事業の拡充や医療と介護の連携の仕組みなどを検討し、中期計画の改定や高齢者保健福祉計画の策定の中で実現を図りたいと考えています。  次に、地域包括ケアへの取り組みについてであります。  ご指摘のとおり、今後、中長期的に高齢化が一層進む中で、医療や介護、福祉サービスが切れ目なく、日常生活圏域で提供される地域包括ケアの構築が極めて重要な課題と認識しています。区では、地域包括支援センターの相談・連絡調整機能を高め、医療、介護など地域の連携を進めるため、地域包括ケア連絡会を平成十九年度から開催しています。昨年度からは、この取り組みを進めて、地域包括支援センターごとに介護・医療関係者、民生委員、町会・自治会、地域のボランティア団体なども含めた地域包括ケア連絡会を開催しています。  今後の地域包括ケアの検討・推進につきましても、専門研究会や東洋大学との提携事業の中で、中長期的な視点に立って、さらなる医療と介護の連携の仕組みづくりや地域の見守り等について、十分に検討していきたいと考えております。  次に、医療拠点の確保への取り組みについてお答えいたします。  東京北社会保険病院、印刷局東京病院につきましては、北区の中核的な医療機関であり、区民の健康と福祉の向上のためにはなくてはならない施設であると認識しているところであります。  東京北社会保険病院につきましては、今国会に議員立法で、独立行政法人年金・健康保険福祉施設整理機構から恒久的に社会保険病院等の受け皿となる独立行政法人地域医療機能推進機構に改組する法案が提出されております。この法案が本日成立しましたので、現行のままの運営が可能と聞いておりますが、今後も情報収集に努めます。  印刷局東京病院につきましては、今のところ、法案等の動きはありません。  今後とも、両病院については、国の動向を注視していくとともに、北区といたしましては、区議会や医師会ともご相談しながら、医療機能の確保に全力を挙げて取り組んでまいります。  以上、お答え申し上げました。よりよい北区、安心して暮らせる北区のために、本日いただきましたご意見、ご提言を念頭に置きつつ、施策の展開に当たっては、さらに工夫を重ねてまいりたいと存じます。  ありがとうございました。 ◆三十二番(戸枝大幸君)   それぞれ、各論につきまして丁寧にご答弁いただきましたこと、感謝申し上げたいというふうに思っております。  そこで、二点ほど改めて要望させていただきたいというふうに思っております。  先ほども申し上げましたが、まず一点目は財政のことについてであります。もともと我が区におきましては、少子高齢化、そしてまた施設の更新需要と非常に厳しい財政需要の見込みがありましたが、ここで災害を迎えまして、さらに施設需要あるいは税収減と非常に厳しい局面を迎えております。  こうした中で、経営改革プランの出来そのものが北区の財政にとって今後を左右する非常に大きな問題になってくるというふうに思っておりますので、この経営改革プランの作成につきましては、一歩踏み込んだ形での作成をぜひ期待するものであります。  二点目といたしまして、先ほどの原発問題の中で数値の測定あるいは公表を速やかに行うという答弁をいただきました。これは、特に小さな子どもを持つ保護者の皆様方からも我々自民党のもとにも要望なり要請なりが多く寄せられております。こうした中で、区民の皆様方は心配なことでありますけれども、近隣の数値等が公表される中で、大体東京だから大丈夫であろうと思いつつも、ごくまれに高い数字が出てくるということで心配なされる方は当然いらっしゃるということで、でき得る限り安心する材料が欲しいという、そういった背景もあるわけであります。  したがいまして、この数値の公表につきましては、迅速適切に行っていただくと同時に、もう一つ心配なのは、数字そのものがひとり歩きしないようにしていただきたいということであります。  我々はもちろん素人でありますから、出てきた数字の評価についてはなかなか難しいことはよくわかっております。また、先ほども指摘させていただきましたけれども、環境基準がまだ整っていないということから評価が厳しいという、そういった側面もございますけれども、我々区民が求める多くの心理というのは安心を求める一心でありますので、ぜひ数値の公表の際には安心の根拠となるような添え書き、説明書き等をあわせて公表していただきますように、これも改めて要望させていただきたいと思います。  私からは以上です。ありがとうございます。(拍手)